ツナマジロ

若手俳優好きの軌跡

謎の存在「お父さん」その4

お題「恐怖体験・謎体験」

刀剣乱舞と謎の実


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「あ、えっと、手伝いの方ですか?」

「はい!そうです」

やっときた。その人は、物腰やわらかめの中年男性だった。

「中に入ってなかったんですね」

やっぱ入ってて良かったんかいな。

「でもまだ人が揃ってないんですよね...」

まだ揃ってないんかいな。

「まだしばらく来ないみたいなんで...暇になっちゃいますね...」

...え?

「う〜〜ん...あ、とりあえず施設案内しましょうか」

「良いですね!」

良くないけども。

 

そんなこんなで施設内を回ることになった。はじめは資料館の中にある、地域の昔の姿を再現した模型を紹介された。

「こういう昔っぽいの流行ってますよね、若い子たちの間で。歴史を伝えていく活動をしてる身としてはうれしいです。このまえも刀剣乱舞?でしたっけ?が人気らしいので、刀鍛冶さんを招いたイベントをやったんですよ」

「そうなんですか〜」

刀剣乱舞が流行ってるだけなのに昔っぽいのが流行ってるってことになってる。ごめんおじさん。多分そのほとんどの刀剣乱舞好きたちはきっと、昔の物が好きなのではなくて、刀剣と関連付けられたキャラクタービジュアル・設定に惹かれてるだけだと思う。まあ刀剣乱舞詳しく知らんのでうまく返せなかったけども。

他にも資料館の諸々を紹介してもらった。昔の消防車車とか、霊柩車とか。車多い。

 

屋外も案内してくれた。そこには古民家があり、かまどやら囲炉裏やら色々紹介してもらったのだが、次第に話すこともなくなってくるようで沈黙が続いた。古民家から資料館に帰る途中、おじさんが

「ちょっと手出してもらってもいいですか」

と言うと、急に私の手のひらに何かを乗せてきた。


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「なんですか、これ」

「石鹸になる実です」

おじさんはそう言うと、私の手のひらに置いたその謎の実を取り、道端に捨てた。まだ見てる途中でしょうが!

 

人間会話のネタがなくなると、挙動をおかしくすることできっかけを作り出そうとするものなのは分かる。だが、その方法がいきなり初対面の高校生の手のひらに黒い実を乗せてきた挙句、見てる途中なのに勝手にとってすぐ捨てるって。初対面のおじさんにそんなことされたら、ちょっと不安になるやろがい。

だがこの直後、この人以上にヤバい面子が待ち受けていることを、私はまだ知らなかった。

 

次回、「玄人の濃度」お楽しみに!

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